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監督 山田火砂子
東京出身。戦後女性バンド「ウエスタンローズ」で人気を博し、舞台女優を経て、映画プロデューサーに。実写版の「はだしのゲン」、「春男の翔んだ空」、「裸の大将放浪記」など数多くの映画を製作・公開した。初の監督作品としては、アニメ映画「エンジェルがとんだ日」がある。著書に「トマトが咲いた」があるが、これは娘2人を育てながら、映画のプロデューサーとしてがんばってきた、泣き笑いの29年間をまとめたもの。福祉、教育、子育て、平和など幅広いテーマで講演活動も行っている
制作
太陽の詩 (75)  
はだしのゲン 涙の爆発 (77)
春男の翔んだ空 (77)
はだしのゲン PART3 ヒロシマのたたかい (80)
裸の大将放浪記 山下清物語(81)
ユッコの贈りものコスモスのように(82)
もうひとつの少年期(84)  
白い町ヒロシマ(85)  
あっこちゃんの日記 (85)
死銭を越えて 賀川豊彦物語 (88) 
キムの十字架 (90) 

企画意図

 教育の荒廃が騒がれている現在、テレビは毎日のように子育てを放棄した両親、愛児を死に至らしめる親たちのニュースを放映し、乳児私設はどこも満員、といった話も耳にします。この度、私が製作する『石井十次の生涯』という映画は、明治時代に親のない子や貧困に喘ぐ子供を3千人も助け、岡山県に日本初の孤児院を作った福祉の元祖・石井十次先生の波乱に富んだ生涯の映画化です。

 岡山に作られた孤児院には、教育の為に学校も設けられていました。
この時期の日本に、子供たちへの教育を徹底させるゆとりなど有るはずがありません。当然、私費によるものでした。その後、宮崎県高鍋市に移転してからの石井十次先生は、子供たちが自立できるようにと、施設内に小・中学校まで作って教育の徹底を図ったのでした。しかも、その中にいた少数の病弱児や知的障害児にも自立の教育を施したのです。

 このような偉業を成した石井十次先生の功績を知る者は、それなりに福祉を学んだ限られた人々か、先生に縁の深い方々だけで、あまり一般に浸透していないのが実情です。
ですから私は1人でも多くの方にこの事実を知って頂きたいと思います。そして豊かな未来を持つ子供たちへは尚更の気持で一杯なのです。

 あの「大原美術館」の大原孫三郎、児嶋虎次郎も石井十次先生を尊敬し支援し続けました。言わば、日本の福祉元年に力をそそがれた方々です。改めてこの方々の軌跡を見詰め直して下さい。石井先生は「親のない孤児は可愛そう、もっと可愛そうなのは、精神的孤児」だと、常に言っていたそうです。その精神的孤児があふれている今日、孤独で寂しいのは自分だけと思わず、この映画にご支援いただければこの上ない幸せです。
2003年9月 山田火砂子

岡山にて石井十次の墓地前飫肥にて
   
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